参照22 老年期の低Na血症

精神科領域では統合失調症などの疾患で、多飲水により低Na血症を惹起し、意識障害から時には死に至る重篤な“水中毒”を発症することが良く知られている。老年期の低Na血症は主に抗うつ薬や降圧薬などによる薬原性に生じる事が多く、抗利尿ホルモン(ADH)値の上昇を伴う場合が多い(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群:SIADH)。SIADHでは起因薬剤を中止すれば低Na血症は治癒する。入院症例25では起因薬剤はなく、抗利尿ホルモンの上昇も認められず、原因不明であるが尿中のNa排出増加のみが認められた。このため食塩の経口投与を行い、低Na血症は改善した。退院後の独居生活を考慮し、入院中に、塩分摂取を食塩から海苔の佃煮に変更した。独居の認知症患者では、食事摂取が不十分なケースが見受けられ、塩分不足から低Na血症を来す場合もあるため注意喚起したい。

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